GWも終わり随分と暖かく(・・・というよりは暑くww)なってきましたが、我が家ではこのくらいの時季になると庭先などで巨大なスズメバチと遭遇することが良くあります。そのため、毎年我が家では夏に向けたスズメバチ対策として「スズメバチトラップ(捕獲器)」というものを自作して設置することが恒例となっているのですが、今回はこのトラップの作り方などについて少しご紹介してみたいと思います。
スズメバチトラップとは?
スズメバチトラップとは、甘い匂いを放つ誘引剤などを利用してスズメバチを誘き寄せ捕まえるための捕獲器のことです。現在では、各メーカーから「ハチ激取れ」とか「スズメバチバスター」といった商品名で製品化されたものが販売されていますが、一昔前は「スズメバチホイホイ」などといった名前でペットボトルを材料にして自作するのが一般的でした。
私も、初めて知り合いから教えてもらった時にはあまりにも簡単な作りに「ホントにこんなもん(失礼ww)で獲れるの?」と思ったほどでした。
設置するタイミング(時期)
スズメバチトラップは、設置する時期を間違えてしまうとかえって危険を招いてしまうこともありますので注意が必要です。それでは、スズメバチトラップはいったいいつ頃に設置するのが良いのでしょうか?それには、スズメバチの生態が大きく関係してきます。
まず、スズメバチにとっての一年の始まりは4月の下旬頃~5月の上旬頃と言われています。それは、この頃になると越冬を終えた女王蜂がその年の新しい巣を作るために行動を始める時季だからです。そのため、越冬明けの女王蜂を捕獲することを目的に考えると3月の下旬頃~4月の上旬頃を目安に捕獲器を設置しておくと効果的なのではないでしょうか。
しかし、7月頃からは働き蜂が増え始めるので、捕獲器をそのままにしていると多くの働き蜂を呼び寄せてしまうことになりかえって危険を招くことにもなりかねません。そのため、6月頃には捕獲器を撤収しておいた方が良いでしょう。
我が家では、比較的蜂達の飛び回らない夜間の時間帯や雨の日を狙って撤収するようにしています。また、捕獲器の撤収や処分をする際は、危険ですので捕獲器の中の蜂が確実に死んでいるのを確認してから作業を行ってくださいね。そして、たとえ蜂が死んでいても、死んで間もない蜂は触れるだけで毒針が飛び出したりすることもありますので、思わぬケガをしないように手袋を装着するなどの対策をして作業をすることをオススメします。
準備する物と作り方
用意した物
今回は、以下のような物を利用して作ってみました。
- ペットボトル(2リットルのもの)
- 巨峰カルピスの原液
- 針金(ペットボトルの重さに耐えられる物なら何でもOK)
- カッターナイフ
- ペンチ
- 電動ドリル
- スケール
- マジックペン
スズメバチが入るための入口を作る
まず、ペットボトルの四方の側面にスズメバチが入るための入口を作ります。
穴の大きさは約20mm四方の四角形で、ペットボトルの底の方に誘引剤や捕獲したスズメバチが溜まることを考えると、穴を開ける位置はなるべく上の方(底から20cmほどの位置)が良いのではないでしょうか。
入口となる穴は、実際に開けてみると小さく感じるかもしれませんが、あまり大きくし過ぎるとせっかくトラップに入ったスズメバチが簡単に逃げ出してしまいます。体の大きな女王蜂がギリギリ入ることができて、簡単には逃げ出せない大きさの穴と考えると、20mm四方くらいがちょうど良いのではないかと思います。
次に穴の開け方についてですが、ちょうどアルファベットの「H」の文字を描くような感じで一辺が約20mmの切り込みを入れます。
その後、上半分を外側へ下半分を内側へと折り曲げます。この時、ペットボトルの表面の形状によっては真っ直ぐに折り曲げられないかもしれませんが、そのあたりはあまり気にする必要はありません。
ペットボトルを吊下げるためのフックを作る
次にペットボトルを木の枝などに吊り下げるためのフックを作ります。この部分は、ビニール紐や麻紐でも構いませんが、今回は耐久性を考慮して手元にあった2.0mmのVA線を使用してみました。針金は、100均やホームセンターなどで売られている園芸用の物でも大丈夫ですよ。
ペットボトルを吊り下げた際に、抜け落ちてしまわないようペンチを使って針金の片側を折り曲げてコブをつくります。反対側は木の枝などに吊り下げられるようにフック状に曲げておきます。
次にペットボトルキャップにキリやドリルなどを使って針金が通るほどの穴を開け、先ほど作ったフックを通しておきます。
スズメバチを誘き寄せるための誘引剤を作る
ネットで検索してみるとスズメバチトラップの誘引剤には様々なレシピが存在します。材料に果物系のジュース、酒、みりん、酢などを独自の割合で混ぜ合わせて作った物が多く、皆さんそれぞれに試行錯誤した結果その配合率に行きついたのだと思います。
私も毎年、いろいろなレシピを参考にしながら試行錯誤していましたが、最近ではもっぱら巨峰カルピスの原液を濃い目に希釈して使っています。作り方は、とっても簡単で通常カルピスの原液を4~5倍に薄めるところを2倍にするだけです。
実際のところカルピスの濃さはお好みで結構だと思いますが、経験上、カルピスをケチってあまり薄くするとそれに比例するように効果も薄まるように感じます。誘引剤の量は、雨が吹き込んだりして量が増えることも考えられますので2リットルのペットボトルに対して300mlほどもあれば良いでしょう。
出来上がった誘引剤をジョウゴなどを使ってペットボトルへと注いでキャップを締めればスズメバチトラップの完成です。
トラップを設置する場所
さて、あとは完成したスズメバチトラップを設置していくわけですが、どのような場所に設置したら良いのでしょうか。私は、以下のような場所を目安に設置するようにしています。
- 毎年、頻繁にスズメバチが立ち寄る庭木の枝。
- 以前、巣を作られたことのある場所の近く。
- 風通しが良く、適度に日当たりの良い軒下。
普段の生活の中で人の往来のある場所に設置する場合などは、できるだけ人の頭の高さよりも高い場所に設置するようにしましょう。通りすがりにオオスズメバチとニアミスするなんて考えただけでも恐ろしいですからね( ̄▽ ̄;)
我が家では、いつも庭木の中で比較的背の高い百日紅(さるすべり)や樫の木の枝に設置しています。
効果のほどは?
私は、けっこうズボラな性格ですのでいつも設置する時期が遅れたり、作り方もかなり適当な作りになってしまいますが、年によって差はあるもののそこそこ捕れます。
ちなみに、2018年は4月の上旬から庭の2箇所に設置しておりますが、5月上旬の時点で効果は画像のような感じです。誘引剤の上の方に浮いている黒い影はその殆どがスズメバチです。
スズメバチに巣を作られないためには・・・
我が家も以前、玄関先にスズメバチに巣を作られたことがありまして、それ以来日常生活に支障をきたす場所に巣を作られないように気にして見るようにしています。
捕獲器で女王蜂を駆除するのも効果的ではありますが、巣を作られたことのある場所や巣を作られると困る場所などにはあらかじめ殺虫剤を吹きかけておくと蜂達も嫌がるのかその場所に巣を作ろうとはしないため防止効果があるそうですよ。
たとえ捕獲器を設置したからといっても、必ずしも巣を作られないといったわけではありませんが、少なからず効果はありそうですよね。
しかし、スズメバチにだって自然界の中で大切な役割もあるでしょうし、怖いし危険だからといって闇雲に駆除すれば良いというものでもないと思います。最盛期に巣が大きくなって、沢山のスズメバチを相手に無益な殺生をしなくても済むように、ある程度の予防策だけは講じておきたいものです。
スズメバチの巣は、作り始めの小さなうちは個人で駆除することも可能ですが、少しでも危険を感じたら無理をせず速やかに自治体や駆除業者さんに相談しましょう。何事も安全第一ですからね。それでは、最後までお読みいただきましてありがとうございました。
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