近頃、若者の間でも患者数が増えているという「クローン病」とは?

「クローン病」について

こんにちは、当ブログの管理人をしております「nobiinu」と申します。このブログを始めるにあたって、何から書いていったら良いものかとあれこれ悩んでいたのですが、まずは、現在私自身が患っておりこのブログのタイトルにもなっている「クローン病」という病気について書いてみたいと思います。

クローン病について詳しく書かれたサイトは他にもたくさんあると思いますが、ここでは初めてこの病名を聞く方が「ふ~ん、クローン病ってそんな病気なんだぁ・・・。」っといったくらいに思っていただけるように、自身の体験をまじえながら、なるべくわかりやすい言葉でお伝えすることができたらと考えています。

「クローン病」という病名について

まず「クローン病」というその聞き慣れない病名から、漠然となにか得体の知れないとても恐ろしい病気を連想してしまうのではないでしょうか。私も初めて担当の先生からこの病名を告げられた時は、「いったいどのような病気なのだろう・・・。」とただただ恐ろしく感じた事を今でも憶えています。
インターネットで調べてみると、クローン病について「ウィキペディア」にはこのように書かれていました。

主として口腔から肛門までの全消化管に、非連続性の慢性肉芽腫性炎症を生じる原因不明の炎症性疾患で、厚生労働省より特定疾患に指定されている。

~ 中略 ~

1932年にニューヨーク大学のマウントサイナイ病院の内科医ブリル・バーナード・クローンらによって限局性回腸炎として報告される。後に病名は改められたが回腸、特に回腸末端から盲腸にかけての回盲部に好発する点は確かである。

出典 ウィキペディア

なるほど、この「クローン」というのは、実はお医者様の名前であって特に病気の内容とは関係がなかったんですね・・・( ̄▽ ̄;)

自覚症状としては、どんなものがあるの?

クローン病の自覚症状としては、腹痛・下痢・血便・体重減少・発熱などがありますが、他にも「痔ろう」などの肛門病変といった症状が現れることもあります。
腹痛や下痢といった症状から「なんだぁ、少しひどい食アタリみたいなもんかぁ。」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、症状が進むと狭窄(腸管が狭くなること)や穿孔(腸の壁に穴が開くこと)などができることで腸閉塞や大出血を起こし、外科的な手術が必要になることもあるそうなので、ただの腹痛や下痢などとあなどることはできません。

実は、私も2007年に痔ろうを患いその手術の後から原因不明のお腹の不調(主に消化不良のような頻回な下痢)に悩まされ続けていました。最初のうちは、「今は痔ろうの手術の直後だから、そのうちに良くなるだろう・・・。」といったくらいに楽観的に考えていたのですが、その後もお腹の不調は続き2016年の人間ドックを受診する頃には、キリキリ、チクチクといった腹部の痛みや赤黒い色の便が気なるようになっていました。

結局、その年の人間ドックの便潜血検査で異常が見つかり、再検査の結果クローン病という診断を受けることになったことから考えて、ひょっとすると2007年の痔ろうはクローン病の合併症だったのかもしれませんね。

原因は?治療法はあるの?

なぜこのような症状が起こるのかという原因については、遺伝的なものだという意見や細菌・ウィルス説、アレルギー説など諸説あるそうなのですが、今のところはまだはっきりとした原因やメカニズムは解明されていません。ですが、そのようないろいろな要因が重なることで免疫機能に異常をきたしているのではないかと言われています。

そのため、クローン病を根本的に治療する方法は現在のところまだ発見されていません。治療に関しては、病気を治すということよりも、あくまで病気による症状を薬などを使ってコントロールすることで腸の炎症を抑え、炎症の少ない落ち着いた状態(寛解状態といいます)を維持し生活の質を高めるといったものになるようです。

年を追うごとに患者さんの数が増えています

「厚生労働省」のホームページで公表されている、「衛生行政報告例の概況(平成16年度~平成26年度)」の中の特定疾患医療受給者証の交付件数について見てみると、平成16年度の時点では男女合わせて23,100件であった交付件数が、平成26年度の時点では40,885件と約1.8倍にまで増加しており、それから更に年数が経過していることを考えるとその数は増加傾向にあると思われます。

年度男性(人)女性(人)総数(人)人口10万人あたりの所持者数(人)
平成16年度16,0477,05323,10018.1
平成17年度16,9947,40224,39619.1
平成18年度17,9237,77725,70020.1
平成19年度19,0668,31827,38421.4
平成20年度20,4738,82829,30122.9
平成21年度21,6459,24630,89124.2
平成22年度22,2619,39131,65225.6
平成23年度24,43610,28534,72127.2
平成24年度25,71710,70136,41828.6
平成25年度27,03111,24038,27130.1
平成26年度28,91611,96940,88532.2
出典 厚生労働省「衛生行政報告例の概況(平成16年度~平成26年度)」より

また、下のグラフは特定疾患医療受給者証の交付を受けた人の数を表したもので、特定疾患医療受給者証の交付申請を行っていない患者さんもいることを考えると、全体の患者数はさらに多くなると考えた方が良いでしょうね。

特定疾患医療受給者証の所持者数の推移を表したグラフ
出典 厚生労働省「衛生行政報告例の概況」

診断のためには、どのような検査を受けるの?

クローン病は、腸の内部で炎症が起こっている病気なので、内視鏡カメラを使用して腸の中の様子を観察する「内視鏡検査」を受けることになるのですが、大腸の状態を観察するためには「大腸内視鏡検査」、小腸の状態を観察するためには「バルーン小腸内視鏡検査」といった具合に調べたい消化管の部位によってそれぞれ別な検査を受けることになります。

いったいどんなことするの?初めて大腸内視鏡検査を受けた時のお話。
大腸内視鏡検査とは、いったいどのような検査なのでしょうか。私が、初めて大腸内視鏡検査を受けた時のことを振り返りながら、検査までの流れや検査の様子などについて少しまとめてみました。

最近では、検査を受ける患者さんの肉体的な負担を軽減するため、小型のカメラを内蔵したカプセルを口から飲み込むことで検査を行う「カプセル内視鏡検査」という検査方法を導入している医療機関も増えています。
また、カプセル内視鏡を実施する前には事前に、小腸などのカプセル内視鏡の通り道にカプセルの通過を妨げるような狭窄が無いことを調べるために小腸にバリウムを注入する「小腸造影検査」を行う場合もあります。

私も、クローン病の治療を受けるなかでこれらの検査を体験しましたので、また体験談として少しずつ記事にしていけたらと思います。

国に難病として指定されている病気です

クローン病は、国に難病として指定されており、「難病の患者に対する医療等に関する法律(難病法)」に基づく特定医療費助成制度により、クローン病の治療に係る医療費について助成を受けることができます。
また、特定医療費助成制度の申請手続きをしてから実際に特定医療費受給者証が手元に届くまでの間に立て替えた公費負担分を払い戻してもらえる制度もあります。

特定疾患の治療で医療費(公費)の助成を受けるために必要になる物と手続きの方法について。
クローン病は国に難病として指定されており、治療に関わる医療費について公費による助成を受けることができます。この記事では、「特定医療費助成制度」の申請に必要な書類や手続きの方法について少しまとめてみました。

特定医療費助成制度の申請手続きや特定医療費の償還(払い戻し)申請の手続きについても個人的な一例ではありますが、その手順や用意する書類などについても記事にしていますので、宜しかったらまた一度読んでみてくださいね。

特定医療費受給者証の無い期間に支払った医療費の一部を払い戻してもらうには?必要な書類や申請の窓口について。
特定医療費受給者証の申請をしてから受給者証が届くまでの間に支払った医療費ついては、必要な書類を揃えて申請することでその一部を払い戻してもらうことができます。この記事では、実際に私が償還請求を行った時のことを例に用意する書類や手続きの方法についてまとめてみました。

クローン病は、医療機関できちんと診察や検査を受けて適切な治療を受けることで、直ちに命に係わることは少ない病気だと思います。しかし、難治性(なかなか治りにくいこと)の病気には変わりありませんので、定期的に検査を受けて根気よく病気と付き合っていかなければなりません。

頻繁にお腹の調子を崩すことがあり、乗り物での移動やお仕事に不安を抱えるようなことがありましたら、一度、医療機関を受診してみてはいかがでしょうか?解決の糸口になるかもしれませんよ。それでは、最後までお読みいただきましてありがとうございました。

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