はじめての大腸内視鏡検査から2週間ほどが経ち、内視鏡検査の時に採取した生検の結果を聞くため病院に行ったのですが、その結果は「クローン病」と「カルチノイドの疑いあり」という診断でした。担当医が言うには、「もう少し詳しく調べてみたいので、今度は「超音波内視鏡検査」をしてみたい。」ということだったので、渋々ながらも検査を受けることに・・・。
もう二度と受けるまいと思った内視鏡検査だったのですが、そう思ったのもつかの間、一ヶ月後には二度目の内視鏡検査を受けることになってしまいました。というわけで、今回はカルチノイドの精密検査のために受けることになった「超音波内視鏡検査」でどのような事が行われるのかについて書いてみたいと思います。
超音波内視鏡検査ってどんな検査?
結論から言ってしまえば、検査を受ける患者の側からしてみれば人間ドックの再検査で体験した「大腸内視鏡検査」と比較して前処置も検査自体もやることはほとんど変わりありませんでした(´∀`;)
しかし、お医者様の立場からしてみれば操作する機器が変わるのでやることが多くて大変そうでしたけど・・・。
また、検査機器のイメージとしては、人間ドックでよく登場する「エコー検査」の振動子が小さくなって大腸内視鏡の先端に組み込まれているような感じの機器で、その超音波内視鏡を使って腸の内側から腫瘍をエコー検査してしまおうというわけです。
私の直腸にあるカルチノイド腫瘍は正常な粘膜の下にできており、今回の検査では超音波内視鏡を使って次のようなことについて調べることになりました。
- 腫瘍の正確な大きさは?
- 腫瘍の形は?
- 5つの層によって構成されている大腸壁の何層目から腫瘍が発生しているのか?
- 腫瘍が腸の壁のどの層まで浸潤しているのか?
- 内視鏡的に切除することが可能かどうか?
どれも、通常の大腸内視鏡では調べることが不可能な内容ですし、カルチノイドを切除するための手術を受けるためにはどうしても必要な情報ですから、どのみちこの検査を受けなければ先には進めないわけですよね。
検査の前処置としてはどんなことをするの?
超音波内視鏡検査の前処置の内容としては、通常の大腸内視鏡検査の時と同じように前日から検査用の食事を摂り、翌日の早朝から「ニフレック」という下剤を飲んで腸の中を綺麗にした状態で検査へと向かいます。
しかし、今回は私が自宅でのニフレックの使用に抵抗があったのと腫瘍の位置が肛門から比較的近い直腸だったこともあり、ニフレックを使うのはやめにして浣腸を使って前処置をすることになりました。
大量の下剤を飲まなくても良くなった反面、若い看護師さんに浣腸されるくらいなら、少し我慢してでもニフレックを飲んでおけば良かったと後で少し後悔しましたけどね・・・。
「浣腸」を使った前処置のメリット・デメリット
通常の内視鏡検査では前日から食物残渣(食べ物の残りカスのこと)の少ない「検査食」と呼ばれる食事をとるのですが、前処置を浣腸で行う場合、前日の夕食までは普通の食事がとれます。また、検査当日に数時間ほどかけて前処置をするニフレックに対して、浣腸は30分ほどしか掛からず検査までの時間がとても早く感じたのを憶えています。
しかし、一見簡単で良さそうに見える浣腸での前処置ですが、良いことばかりではありませんでした。浣腸で綺麗にできるのはせいぜい直腸の辺りまでで大腸の奥の方までは綺麗にすることはできず、そのためカルチノイドの検査を済ませた後でクローン病の様子を見に行こうと更に奥の方に進んではみましたが、結局、最奥部分までは到達することはできませんでした。
後に内視鏡で撮影した画像を見せてもらいましたが、いたるところに便が残っておりとても視界が悪く、ニフレックで前処置をした時のものとは雲泥の差といった印象でした。また、炎症の治まっていないところに浣腸を行ったためか腸の壁が荒れており、担当医の先生も元々から荒れていたのか浣腸を行ったせいで炎症が悪化したのか判断がつけにくそうでした。
やはり、せっかく辛い思いをして内視鏡を入れるのですから、あまり面倒臭がったり怖がったりせずに時間を掛けてニフレックで前処置を行って良好な視界で内視鏡検査を受けた方が良いのではと痛感しました。
検査ではどんなことをするの?
検査本番の工程についても、通常の大腸内視鏡検査の時とそれほど大きな変わりはありませんでしたが、通常の大腸内視鏡検査と大きく違う点では内視鏡の先端に付いている超音波の振動子をうまい具合に腫瘍にあてなければならないので、お尻から内視鏡を挿入された状態で検査を行う担当医の指示を受けながら、右を向いたり左を向いたり仰向けになったりと通常の大腸内視鏡検査の時よりも忙しく体の向きを入れ換えることが多かったため少し大変でした。
検査のあとは医師の説明を受けます
検査の後は、大まかな結果を聞くために医師との面談があるのですが、ここの病院は内視鏡検査の後に休憩時間を挟まず検査後すぐに医師との面談に移るスタイルらしく、今回も空気でパンパンのお腹を抱え痛みに耐えながらの面談となりました。
さて、気になる検査の結果はというと、超音波内視鏡の画像を確認してみると腫瘍の大きさは6mmほどで第2層と呼ばれる比較的浅いところにできているみたいなので内視鏡で手術が出来そうだということでした。
しかし、ここで私と担当医との間で意見が分かれます。
内視鏡を使って切除できる大きさのうちに、すぐにでもカルチノイドを切除してもらいたいという私の希望とは対照的に、担当医としてはカルチノイドを切除することでクローン病が悪化する可能性もあるため、クローン病が寛解状態になるのを待ってから手術を行いたいということで、今度は小腸の状態を診てみたいので「小腸内視鏡検査」を行いたいということでした。
結局、この場では答えを出すことはできなかったので一度持ち帰ってよく考えてから返答をすることにしました。
今回は、たまたまこのような展開になってしまいましたが、検査は必要なものだったと思いますし今後に繋がるデータがとれたので検査自体は有益なものだったと思います。
さて、このあとの展開については、超音波内視鏡検査の内容からは話が横道に逸れてしまいますのでまた別な機会にお話することにして、治療のために必要な検査ならできるだけ面倒臭がったり怖がったりせずにチャレンジするようにしたいものですね。それでは、最後までお読みいただきましてありがとうございました。
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