2018年9月のはじめ頃、ユピテル製ドライブレコーダー「DRY-FH200」のリコールのお知らせを受け、代替製品の交換手続きをしてから約2ヵ月ほどが経ち無事に代替製品である「DRY-ST1000c」が到着しました。
さっそく取り付けて使用してみましたのでレビューしてみようと思うのですが、その前に「DRY-FH200」のリコールについて少しだけお話しておきたいと思います。
「DRY-FH200」のリコールについて
回収となった原因は?
さて、そもそも「DRY-FH200」がリコールとなってしまった原因はいったい何だったのでしょうか。消費者庁のリコール情報サイトに掲載されている情報を確認してみると、どうやら製品に内蔵されているリチウムバッテリーから発煙や出火といった事例が起こっているそうです。
また、メーカーでは事故防止に万全を期すため製品の回収を勧めているので速やかに使用を中止し回収の手続きを行った方が良さそうですね。
回収の受付はどうすればいいの?窓口は?
2021年8月17日現在でも、ユピテルは自社のホームページにて2012年10月から2013年8月までに販売した同製品8万5千台を対象に回収および代替製品への無償交換を呼びかけています。
その後、Webでの製品交換の受付は、2018年2月28日(水)をもって終了してしまいましたが、今後も専用フリーダイヤルでの受付は行われいるそうで、製品交換についての詳細な案内は、ユピテルのホームページ内にある「ドライブレコーダー「DRY-FH200」回収と製品交換について」というページに詳しく書かれています。
製品の外観
さて、話が横道に逸れてしまいましたが、届いた「DRY-ST1000c」のパッケージはこのような感じです。
そして、パッケージの中身はというと・・・。
「DRY-ST1000c」本体と付属品の電源ケーブルなどはこのような感じです。本体は以前使っていた「DRY-FH200」よりも一回り小さくコンパクトな印象を受けました。
「DRY-ST1000c」と「DRY-FH200」の仕様を比較してみる
そもそも、「DRY-FH200」も「DRY-ST1000c」もユピテルのドライブレコーダーの中では「シンプルシリーズ」と呼ばれるお手頃な価格帯のモデルなので、残念ながら最近のドライブレコーダーには当たり前のように搭載されているGPS機能は付いていません。
しかしながら、その分シンプルシリーズはコストパフォーマンスに優れ、「DRY-FH200」から「DRY-ST1000c」へとモデルチェンジされてから新たにいくつかの機能が追加され性能も向上しています。
それでは、新しく到着した「DRY-ST1000c」と回収となった「DRY-FH200」のそれぞれの仕様を比較してみましょう。まずは、両製品の主な仕様を表にまとめてみました。セルの色が黄色の項目は私が個人的に良いなと感じた部分です(※画像をクリックまたはタップすると拡大されます。)
HDRの搭載
HDR(ハイダイナミックレンジ)とは、暗い場所から明るい場所へと移り変わる場面などのコントラストの差が激しい状況において、画面の一部が真っ白または真っ黒になってしまう現象(白とび、黒つぶれといいます。)を軽減してくれる機能です。この機能のおかげで、トンネルの出口付近や夜間走行時の映像では「DRY-FH200」よりも記録できる場面が多くなります。
Gセンサーの搭載
Gセンサーとは、車体の前後・左右・上下方向にかかるG(加速度)を感知するためのセンサーです。これにより、衝突や接触といった事故の際にGセンサーが衝撃を感知し、自動的に動画を記録する機能が「Gセンサー記録」と呼ばれています。万が一の事故の際、自分で記録ボタンを操作できない状況でも、ドライブレコーダーが自動で映像を保護してくれるのはありがたいですよね。
とても便利で心強い機能である「Gセンサー記録」ですが、デフォルトの設定の場合、車種によってはセンサーが敏感に反応してしまい普通に道路を走行しているだけで頻繁に「Gセンサー記録」が作動してしまうようです。
ちなみに、私の車はスズキのアルトワークス(GF-HA22S)なのですが、デフォルト設定のままではしょっちゅうピーピコ言っては記録していましたので、現在調整中です。
撮影素子(CMOSイメージセンサー)の性能向上
「DRY-FH200」から「DRY-ST1000c」となって撮影素子(CMOSイメージセンサー)が、100万画素から200万画素へとグレードアップされています。単純な説明になってしまいますが、イメージセンサーのきめの細かさが倍になっている分、当然画質も向上しています。
動画の記録解像度とフレームレートの変更
「DRY-FH200」の動画の記録解像度は、1080p(Full HD)に対応してはいるもののフレームレートが10fps(毎秒10コマ)と少ないため実用的ではなく、実際の走行ではフレームレートが30fps(毎秒30コマ)の720p(HD)のモードで撮影することがほとんどでした。
これが「DRY-ST1000c」になって、1080p(Full HD)モードでのフレームレートが27.5fps(毎秒27.5コマ)へと変更になったため、実際の走行でもメインで1080p(Full HD)モードでの撮影が可能になりました。
ちなみに、フレームレートが毎秒27.5コマとやや中途半端な感じになっているのは、LEDを使った信号機への対策のためです。フレームレートが毎秒30コマの場合、LEDの点滅周期とドライブレコーダーのフレームレートが重なってしまった時に記録された動画では「信号機が真っ暗」ということが時々起こるのです。肝心な時に信号機の色が記録できていないのでは困ってしまいますよね。
本体の小型軽量化
そもそも、ドライブレコーダーは固定して使用するものなので、軽さはあまり気にしなくても良さそうなものですが、本体のサイズは運転中の視界にも大きく影響するためあまり見過ごせない部分でもあります。
実際、「DRY-FH200」を使用していた時は、ルームミラーの後ろ側に取り付けてもルームミラーの下からはみ出して視界に入ってくるので運転中に少々気になっていましたが、「DRY-ST1000c」になってからはルームミラーの後ろ側に隠れてしまうくらいの大きさなので運転中に気になることもほとんどありません。また、本体の小型化によって取り付け位置の自由度が向上しています。
それぞれの機種で記録した映像を見比べてみる
ちょうど同じような天候で同じような場所を走行している時の映像が残っていたので、それらを使ってサンプル動画を作成してみましたのでよかったら参考になれば幸いです。
「DRY-FH200」のサンプル映像
「DRY-ST1000c」のサンプル映像
「DRY-ST1000c」を2ヵ月間ほど使用してみた感想
「DRY-FH200」を使っていたときには、操作ボタンに関して少々不満がありました。というのも、この機種の操作ボタンはタッチすることで反応するタイプの物だったため、不意に何かが触れただけでボタンが反応してしまうことがよくあり、デザインはすっきりしていて良かったのですが、その反面、正直少し使いづらい面もありました。
しかし、「DRY-ST1000c」になってからこの部分は改善されていて、クリック感のある「押しボタン」タイプに変更されたことで、カチッとした操作感になり小さいのに非常に操作がしやすくなりました。
ただし、小型化によって液晶画面や操作ボタンなども小さくなっており、年配の方には少し操作しづらくなってしまったかもしれません。ここは、一長一短といった感じで致し方のない部分かもしれませんね。
また、機能面では、HDRやGセンサーの搭載によって記録を残せるシーンが多くなりより安心感が増しました。
しかし、少し残念に思った部分では、録画ファイル構成の選択肢が無くなってしまったことです。「DRY-FH200」の時は、1ファイルの長さを2分、5分、10分、25分の中から任意で選択することができたのですが、「DRY-ST1000c」では1ファイル1分に固定となってしまいました。個人的には、あとで走行動画を使用して編集を行ったりするときにある程度(1ファイルあたり5分程度)の長さがあると編集がしやすかったりもするのですが・・・。まぁ、そもそもドライブレコーダーは万が一の瞬間を確実に残すための機器で、アクションカメラのように思い出を動画で残すための機器ではないのですから、このあたりは仕方のないことなんですけどね。
ちなみに、メーカーでは1~2週間に1回メモリーカードをフォーマットするように推奨されているのですが、これは誤作動を防止するためのようです。絶対に1~2週間に1回のフォーマットが必要なのかと言われるとそうでもないと思うのですが、気付いた時などまめにフォーマットをかけるようにしたいですね。
気がつかないうちにフリーズなどしていて、肝心な時に限って「映像が記録されていなかった」なんてことになってしまったら大変ですからねww
取り付けてから約2ヵ月間ほど経過しましたが、今のところこれといった問題もなく働いてくれています。まだGセンサーの設定がうまく決まらず、やたらとGセンサー記録が行われてしまいますが、これから少しずつ調整していきたいと思います。それでは、最後までお読みいただきましてありがとうございました。
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